床のリフォーム前に知っておくべき床材の種類と選び方

床・フローリングリフォームについて

一口に床のリフォームといっても、床材の種類は豊富にあります。

それぞれ異なる特徴やメリット・デメリットがありますし、コストも大きく変わるケースがあります。

「現在の床は何が不満なのか」「どのようにしたいのか」を明確にして、理想の床リフォームを実現させましょう。

床のリフォーム前に知っておきたい床材の種類や選び方・さらには、床のリフォームを業者に依頼するときに覚えておくべきポイントを紹介します。

床材について知識を深め、我が家のニーズに合う床材を選びましょう。

床材の主な種類とその特徴

住居で使われる床材の主なものとして、フローリング・カーペット・クッションフロア・畳などがあります。

それぞれどのような特徴があるのか、具体的に見ていきましょう。

1. フローリング

フローリングは最も人気の高い床材で、以下の2種類に大別できます。

  • 合板:薄い板を貼り合わせた床材。表面に化粧材や天然木が貼り付けられている
  • 無垢材:天然木から取り出した1枚板。表面の加工方法によって風合いが異なる

合板は温度や湿度に影響されにくく、床材としての安定性は高いといえます。

ただし安価過ぎる床材を選ぶと、床の印象がチープなものとなってしまうかもしれません。

一方無垢材は天然素材ならではの調湿機能を持ち、肌当たりも快適です。

経年変化も楽しめるので「我が家の床材」として愛着が湧くでしょう。

ただし床材としての安定性は低く、反りや割れなどが起こるケースもあります。

どちらの種類もバリエーション豊富で、価格帯も安価な物から高価なものまでさまざまです。

2. カーペット

温かみのある、繊維系の床材です。

防音性・断熱効果が高く、主に以下の素材があります。

  • ポリプロピレン
  • ウール
  • アクリル
  • ポリエステル
  • ナイロン

素材以外に技法のバリエーションも多く、どれを選ぶかでカーペットの表情は異なります。

カラー・デザインも豊富で、選び甲斐があるでしょう。

ただしフローリングと比較すると、ゴミ・ホコリが絡みやすい点に要注意です。

素材によっては、ダニが発生する恐れもあります。

3. クッションフロア

塩化ビニール製のフロアシートです。

ロール状になっていて、カットして長さを調節します。

厚さは一般家庭用なら約2cm、土足を想定したものなら2.5~3cm程度のものが多いでしょう。

ビニール製なので防水性があって、足当たりはやわらかです。

足音も響きにくいため、集合住宅や小さな子ども・ペットのいる家庭にはメリットが大きいでしょう。

施行の手間が少なく価格も安価ですが、「熱に弱い」「重いものを乗せると跡が残る」点には注意した方がよいでしょう。

4. 畳

い草の風合いが心地よい床材で、日本家屋ではおなじみです。

「畳表」「畳縁」「畳床」を組み合わせて作られており、断熱性や保温性・弾力性が高い特徴があります。

い草特有の香りはリラックス効果もあって、寝転がっても快適です。

吸湿性も高く、湿度の高い日本には最適な床材といえるでしょう。

ただし、い草は耐久性が高くなく、数年に1度のメンテナンスが必要です。

ほかの床材と比較すると、「維持費が高い」と感じることが多いかもしれません。

部屋別 床材の選び方のポイント

床材をリフォームするときは、場所との相性を考えることが大切です。

リビング・水回り・寝室にぴったりな床材を選ぶとき、重視すべきポイントを紹介します。

1. リビングはインテリアとの調和・快適性・を重視

リビングは家族が集ったり、来客を迎えたりする場所です。

インテリアとミスマッチにならないよう、色・質感のバランスを考えて床材を選びましょう。

また長居する場所だからこそ、快適性も重要です。

温かみのあるカーペットや、無垢材を使ったフローリングなら心地よく過ごせます。

例えば子どもや高齢者がいるなら、パインやヒノキといったやわらかい無垢材がおすすめです。

2. 洗面所やキッチンなどの水回りは防水性・お手入れのしやすさを考慮

水を使う場所は、クッションフロアやタイル・合板フローリングなどが人気です。

いずれも水への耐性が高く、汚れが付いてもすぐに拭き取れます。

汚れやすい場所だからこそ、掃除の手間が少ないのは大きなメリットです。

またクッションフロアや合板フローリングは、コストが比較的安価な点もうれしいポイントといえるでしょう。

3. 寝室はリラックスできる床材を

寝室は1日の最後の一時を過ごす場所だからこそ、リラックス感が重要です。

温かみのあるカーペットを選んで、ゆったりと過ごしましょう。

カーペットには「ひやっとしない」「冷気が上がってこない」といったメリットがあります。

素足で歩きやすく、フローリングのようにホコリが舞い上がることもありません。

「24時間消臭」「防ダニ加工済」などの機能性カーペットもあるので、ニーズに合わせて選べます。

床材の張替えを自分で行うのを避けるべき理由

「床材の張替えは業者に任せるべき」と言われるのは、主に以下の3つの理由です。

  • 時間がかかる
  • 素人のスキルでは対応できないことがある
  • 費用対効果が悪い

一般に、素人が床材の張替えをした場合、かかりっきりで2日程度かかると言われます。

作業中は継続的に同じ体勢をとり続ける必要があるため、腰痛を訴える人も少なくありません。

また床材を剥がして何らかの欠陥が見つかった場合、素人が対応するのは困難です。

例えば下地や根太が傷んでいた場合は、そこも張替えなければなりません。

多くの人がDIYに挑戦するのは、「コストを抑えたい」という理由がほとんどです。

しかし、時間をかけても満足な張替えができなかったり、業者に頼むコストとさほど変わらなかったりといったことがよくあります。

まさに「骨折り損のくたびれもうけ」になりやすく、費用対効果がよいとはいえないのです。

業者に床の貼替えを依頼するときのポイント 

業者に床の張り替えを依頼する際は、次のポイントに留意しましょう。

  • リフォームに何を求めるかを明確にする
  • 経験豊富な業者を選ぶ

床材の種類は豊富にあって、それぞれ特徴が異なります。

「裸足で歩ける床がよい」「防水性が必要」など、求めるポイントは明確にしておきましょう。

また、理想のリフォームをかなえるには、業者の知識・経験が不可欠です。

理想の床材のアイデアを話したとき、幾通りもの提案をしてくれる業者を選びましょう。

施工経験の少ない業者だと、有益な提案をもらえないことがあります。

業者のホームページなどを開き、「床リフォームの実績がどれくらいあるのか」「どのようなリフォームに対応してくれるのか」をチェックしましょう。

床材の種類を理解して理想のリフォームを実現しよう

床材のバリエーションは多く、どれを選ぶかで部屋の雰囲気・過ごしやすさ・手入れのしやすさが異なります。

リフォーム費用とのバランスを見ながら、理想に近い床材を選びましょう。

バリエーションが多過ぎて選べない」と感じるなら、信頼できる業者に相談することも必要です。

床のリフォームは、そう何度もするものではありません。

後悔しないよう、専門家の意見を聞いてみましょう。

「こんな床材が好ましい」といえば、コストの範囲内で最適な提案をしてくれます。

1人であれこれと考えるよりも、理想のリフォームを実現しやすくなるでしょう。